野良猫に触る際に気を付けたいこと

ペット

野良猫は触って大丈夫?

 

公園やお出かけ先、または近所を何気なく歩いていた時など、野良猫を見かけたことがある人は多いと思います。数の多い少ないはあるけれど、野良猫が私たちの周りにいるのは全国共通です。

ときには人慣れしていて可愛らしくすり寄ってくる子もいて、猫好きには堪らなく愛おしくなりますよね。思わず撫で撫でしたり、モフモフしたくなってしまう気持ち、とてもよくわかります。

 

でも、ちょっと待って。

 

本来野良猫はとても警戒心の強い生き物。人慣れしているからといって引っ掻かないとは限りませんし、外の厳しい環境下で生きている野良猫のほとんどは、何かしらの病原菌を体内に持っています。うっかり手を差し伸べたときに引っ掻かれたり噛みつかれたりしたとき、野良猫の持っている病気がご自身に感染してしまったら…?

もしくは自分が発症しなくても、野良猫を触ったことが原因で飼っているペットに病気が移ってしまったら…?

 

ここでは、野良猫に触った際に移ってしまう可能性のある病気や、野良猫に触った後どうした良いのかをご紹介していきます。

 

1、野良猫を触れるときに注意したい病気6つ

野良猫のほとんどは何かしらの病原菌を保菌しています。可愛くてつい触ってしまう事もあるかと思いますが、野良猫に触れることで我々人間にも感染してしまう病気があるので紹介していきます。

 

1-1、猫ひっかき病

猫ひっかき病とは、バルトネラ菌に感染している猫に引っ搔かれたり噛みつかれたりすることで局所リンパ節が腫れ、発熱や食欲不振、ときには意識障害まで引き起こす病気です。

軽症ならば自然治癒しますが、重症化してしまった場合には抗生物質を投与します。

 

1-2、疥癬症(かいせんしょう)

疥癬症とは、ヒゼンダニという小さなダニが皮膚に寄生しておこる感染症です。ヒゼンダニは肉眼では見ることが出来ないため、ヒゼンダニに寄生されると手のひらや足、耳などに強いかゆみを生じます。感染している野良猫に触れたり、衣服にヒゼンダニがついたりすることで伝染してしまい、猫から人への感染だけでなく人から人へも感染してしまいます。

 

1-3、パスツレラ症

パスツレラ症とは、猫に噛まれたり引っ搔かれたりすることで傷口が腫れ化膿してしまったり、肺炎や気管支炎、副鼻腔炎などを引き起こします。

パスツレラ菌は野良猫に限らずほぼすべての猫が口の中に保有しています。パスツレラ症は免疫力の弱い高齢者や小さな子供などが発症しやすいため、むやみに野良猫に触れようと近づかないようにしましょう。

 

1-4、真菌症

真菌症とはいわゆる「猫カビ」のことで、「皮膚真菌症」や「皮膚糸状菌症」のことをいいます。

猫が真菌症に感染すると脱毛してしまい、痒みやフケ、かさぶたが出ることもあります。

この真菌症に感染した野良猫に触ることで人にも感染し、強いかゆみや赤い発疹が生じます。

 

1-5、回虫症

回虫症とは、猫の消化器官に住みつく寄生虫の卵が人間の口に入ってしまい感染します。この寄生虫の卵はフンと共に排出されますが、猫がグルーミングなどで再び口にしてしまい、その猫に舐められたりしたあと自分の口元を触るなどして感染してしまうケースがあります。

回虫症になってしまうと発熱や倦怠感、食欲不振、聴覚障害などの症状が出ることがあります。

 

1-6、トキソプラズマ

トキソプラズマとは、上記の回虫症と同じく猫などのフンなどから感染する寄生虫のことを指します。このトキソプラズマに感染しても健康な成人であれば症状が出ることはほとんどありませんが、注意してほしいのが妊婦さんです。

妊娠中にトキソプラズマに感染すると、トキソプラズマが胎盤を通しておなかの赤ちゃんに感染し、先天性トキソプラズマ症を引き起こす可能性があります。先天性トキソプラズマ症になってしまうと、脳性麻痺や髄膜炎、低出生体重、運動機能障害などの症状がみられることがあり、また最悪の場合、流産や死産に至ってしまう可能性もあります。

 

 

2、野良猫に触るときの2つの注意点

可愛い野良猫が向こうから寄ってきたり、ゴロゴロ気持ちよさそうに日向ぼっこをしているところを見かけると、触りたい衝動にかられますよね。

 

そんなときは、次のことに注意して野良猫に触るようにしましょう。

 

2-1、抱っこしたり顔を近づけない

野良猫と触れ合う際に、抱っこしたりキスをしようと顔を近づけたりしないようにしましょう。野良猫はその警戒心の強さから抱っこを嫌がる子が多く、ときには防衛本能で引っ搔かれたりする可能性があります。

また、いくら猫好きだからといっても野良猫にキスをする行為は非常に危険です。

野良猫に触るときは、適切な距離感で触れ合うようにしましょう。

 

2-2、野良猫が嫌がるそぶりを見せたら触れるのをやめる

人慣れしている野良猫なら頭やあごの下を撫でても嫌がりませんが、あまりしつこく触れていると猫の機嫌を損ない、引っ搔かれることがあります。

猫の機嫌は耳や尻尾に現れますので、野良猫に触れている間はそれらを注視し、少しでも機嫌が悪くなったかなと感じたら距離をとるようにしましょう。

 

 

3、野良猫に触った後に取るべき3つの行動

野良猫に触ることがよくないと知りつつも、可愛くてついつい触ってしまう事もあると思います。

では、野良猫に触った後、具体的に何をすればいいのかを知っていきましょう。

 

3-1、野良猫に触ったあとは手洗い・消毒を徹底する。

野良猫に触ったあとはすぐに石鹸で手を洗うようにしてください。くれぐれも手を洗う前に顔に触れないように注意しましょう。

 

外で暮らしている野良猫は虫やカエル、蛇などを食べて生きています。

野良猫のほとんどが体内に何かしらの寄生虫が住みついていたり病気を持っていると考え、野良猫に触った際には手洗い・消毒を徹底しましょう。

 

3-2、野良猫に触ったあとは粘着テープでノミを取り除く

野良猫にはノミが寄生していることがよくあります。野良猫に触れあった後はノミを家の中に持ち込まないようにするため、粘着テープを使って衣服に付いたノミを取り除くようにしましょう。

 

3-3、野良猫を触ったあとの服は、帰宅後すぐに着替える

野良猫には様々な寄生虫やウイルス、細菌などが付いていることが考えられます。野良猫に触ったあとそれらが衣服に付着していることもありますので、上記のように粘着テープを使用した後はすぐに着替えるようにしましょう。

ペットなどを飼われている場合、野良猫の持っていた病気を伝染してしまう可能性もあります。

可愛いペットのためにも、野良猫に触ったあとは服を着替えましょう。

 

 

まとめ

野良猫を見かけるとつい触りたくなってしまいますが、本来野良猫はとても警戒心の強い生き物です。野良猫に触ろうと不用意に近づくと噛みつかれたり、引っ搔かれるなんてこともよくあります。野良猫は様々な病気やノミ・ダニ、細菌などを持っている可能性が非常に高く、特に免疫力が低下している人は病気を発症しやすいので注意が必要になります。

野良猫に触った後は必ず手洗いを徹底し、病原体を洗い流すようにしてください。

また、もしも野良猫に引っ掻かれたり噛まれたりしたら、手洗い・消毒をしたあと念のため病院で診てもらうと良いでしょう。

 

野良猫と同じ生活圏で共生していくには触れすぎず近づきすぎず、適切な距離でのお付き合いを心がけていきましょうね。

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