妊娠中の動悸・息切れがつらい…原因と対策をやさしく解説

妊娠・出産

「最近、ちょっと動いただけで息が切れる…」
「突然ドキドキして、不安になる…」

妊娠中に起こる“動悸(どうき)”や“息切れ”に、不安を感じている方は多くいらっしゃいます。
特に初めての妊娠では、「これって普通?」「赤ちゃんに影響はないの?」と心配になってしまいますよね。

この記事では、妊娠中の動悸・息切れの原因とその対処法についてやさしく解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。


妊娠中に動悸・息切れが起きるのはなぜ?

妊娠中の体は、赤ちゃんを育てるために大きく変化しています。その変化のひとつが、心臓や肺への負担が増えることです。

主な原因は以下の6つ

  • ホルモンバランスの変化
    妊娠すると女性ホルモン(プロゲステロンやエストロゲン)の分泌が増え、心臓や血管の働きにも影響を与えます。

  • 血液量の増加
    赤ちゃんに十分な酸素や栄養を届けるため、妊娠中は血液量が約1.5倍に増加します。その分、心臓はたくさんの血液を全身に送り出す必要があり、負担が大きくなります。

  • 胎児の成長による臓器の圧迫
    お腹が大きくなると、子宮が横隔膜や心臓を圧迫しやすくなり、呼吸が浅くなったり、心臓がドキドキしやすくなります。

  • 貧血
    血液量が増える一方で、赤血球の増加が追いつかず「生理的貧血」になりがちです。貧血が進むと、心臓がより速く血液を送ろうとするため、動悸や息切れを感じやすくなります。

  • ストレスや不安
    妊娠中は心身ともにデリケートな時期。ストレスや不安も自律神経に影響し、動悸を引き起こすことがあります。

  • 薬の副作用
    切迫早産などで処方される薬(例:ウテメリン)は、副作用として動悸や息切れを感じることがあります。

 


妊娠中のどの時期に起こりやすい?

● 妊娠初期(1〜4ヶ月)

  • ホルモンバランスの急激な変化により、動悸や息苦しさを感じる方が多いです。

  • 貧血も起こりやすい時期のため、より動悸が強まることもあります。

● 妊娠中期(5〜7ヶ月)

  • 心拍数が増えて安定してくる時期ですが、赤ちゃんの成長とともに体の負担も増します。

  • 軽い動悸や息切れはこの時期からも続くことがあります。

● 妊娠後期(8〜10ヶ月)

  • 子宮の圧迫により肺が圧迫され、特に後期に息苦しさを感じやすくなります。

  • 寝ているときや仰向けになったときに症状が強くなる方もいます。


病院に相談すべき症状とは?

妊娠中の動悸や息切れは多くの方が経験する症状ですが、中には注意が必要なケースもあります。

以下のような症状がある場合は、すぐに医師に相談してください:

  • 動悸や息切れが急激に強くなった

  • 安静にしても症状が改善しない

  • めまい、立ちくらみ、失神を伴う

  • 手足や顔のむくみが急にひどくなった

  • 動悸や息切れに加え、胸痛や激しい頭痛がある

  • 息苦しくて横になれない(起坐呼吸)

これらは**貧血、心疾患、肺塞栓症(はいそくせんしょう)**など、妊娠と関係なく重大な病気が隠れている場合もあります。少しでも不安を感じたら、遠慮なく医師に相談しましょう。


妊娠中の動悸・息切れを軽減する5つの対策

1. 姿勢を工夫する

座っているときや寝ているときに息苦しさを感じたら、体を少し起こして上半身を高く保つようにしてみましょう。
クッションを使って、楽な体勢を見つけてください。

2. ゆっくりと深呼吸する

息が浅くなってきたと感じたら、鼻からゆっくり吸って口からゆっくり吐く呼吸を意識しましょう。
過呼吸気味になってしまうと、かえって息苦しさが悪化することがあります。

3. 無理をしない生活リズムを心がける

家事や仕事をがんばりすぎないように、こまめに休憩を取りながら動くことが大切です。
特に階段の上り下りなどは、息切れしやすいので注意が必要です。

4. 食生活を見直して貧血対策をする

鉄分不足による貧血が原因で動悸が起こる場合もあります。
**鉄分を多く含む食材(レバー、ひじき、ほうれん草、赤身の肉)**を意識して取り入れましょう。

サプリメントも効果的ですが、自己判断せず医師に相談してから使いましょう。

5. ストレスをためない

不安や緊張から動悸が起きることもあります。
アロマや音楽など、自分に合ったリラックス方法を見つけて、気持ちの安定を保つことも大切です。


「私だけ?」と感じたら…

妊娠中は体だけでなく、心も敏感になっています。
「こんなことで病院に行ってもいいのかな?」と遠慮してしまう方も多いですが、不安を感じること自体がストレスになります。

動悸や息切れに限らず、妊娠中は「少し気になること」が大きな負担になることもあります。
周囲の人に相談したり、健診時に医師や助産師さんに気軽に聞いてみましょう。


動悸・息切れとうまく付き合うコツ

  • 頑張りすぎない

  • 一人で抱え込まない

  • 「今はそういう時期」と受け入れる

妊娠中の体調変化は、誰にでも起こりうる自然なものです。動悸や息切れを感じたときは、「自分の体が赤ちゃんのために一生懸命働いているんだ」と前向きにとらえてみましょう。

「母になる力」が少しずつ、確実に育まれている証でもあるのです。


まとめ|安心のために、気軽に相談を

妊娠中の動悸や息切れは、多くの妊婦さんが経験する症状です。
原因の多くはホルモンや血液量の変化、子宮による圧迫など、妊娠にともなう自然な変化によるものです。

しかし、強い動悸や息苦しさがあるときは、無理せず医療機関に相談することが大切です

「おかしいな」と思ったら、遠慮せずに受診しましょう。あなたの体と赤ちゃんを守るためには、正しい情報と冷静な対応が必要です。

妊娠生活は、嬉しいことも、不安なこともいっぱい。でも、そのすべてが赤ちゃんとの出会いに近づくステップです。
不安な気持ちを抱えたときには、ひとりで抱え込まず、周囲や専門家の力を借りながら、安心して過ごしていけますように。

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